歌い継ぐ“四つ”の校歌

柏葉会が歌い継ぐ“四つ”の校歌

毎年11月に「かながわ校歌祭」という行事が行われています。県立川崎高校同窓会柏葉会は平成18年の第1回から連続して参加し、旧制川崎中学校、新旧川崎高校の3つの校歌に加えて、平成16年に統合しフレキシブルスクール川崎高校の礎となった川崎南高等学校校歌「青い宇宙を」を歌い続けてきました。
同窓会の資料を保管する記念室には川崎中学・高等学校の各種資料に加えて、川崎南高校の校旗、校歌額を始めとした各種資料が保管されています。

 県立川中「大君居ます」、新制川高「光満つ春3月」そしてフレキ川高「世界のどこかに」と川崎高校の三つの校歌と、川崎南高校校歌「青い宇宙を」をご紹介します。〔’19.4.7up〕

昭和8(1933)年県立川崎中学校歌

作詞 佐佐木信綱
作曲 福井 直秋

大君います 都に近く
けぶり賑はふ 吾が川崎市
奮励努力 吾等が学ぶ
母校の甍は 雲にぞ聳ゆる

芙蓉の高嶺 白雪清く
多摩の流は 海にと注ぐ
質實剛健 心を鍛ひ
文化の潮に 棹さし進まむ

亜細亜の東 皇国の民の
大き使命を 吾等は擔ふ
忠孝二つ 一つの誠實
心に保ちて いざいざ進まむ

昭和30(1955)年校歌

作詞 山本太郎
作曲 灰野謙三

光満つ 春三月
仰ぎみる わが学舎 赤き塔
こゝにして学びつぐ わかきいのち
あゝカンランの香りを とはに
青春は わが青春は はじまりぬ

雲あがる 夏の空
熔鉱炉 はるかにかすみ エメラルド
こゝにして力満つ つよきこころ
あゝ限りなき夢は はるかに
靴音は わが靴音は たかまりぬ

渡田の 秋の風
多摩川の 堰に音たち 野菊さく
こゝにして佇めば なほき願ひ
あゝまどはしの知恵を はなれて
拓きゆく 拓きゆく 明日を唄ふかな

柏葉は 白き冬
おほうみの 潮騒ちかく 鴎なく
こゝにして集へる 深きえにし
あゝ春秋の時は ゆくとも

平成17(2005)年校歌

作詞 島田 雅彦
作曲 池辺晋一郎

世界のどこかで誰かが歌う
そのメロディとリズムに導かれ
いまいちど、前に進めば
きのうの痛みは乗り越えられる
一人で悩む友の背中を叩いて
振り出しの一歩から始めよう
たまには涙もいいものだ
世界を見る目が乾かぬように
船には岸、闇には光、君には力を

世界のどこかで誰かが笑う
その喜びをくるくるかき混ぜて
いまいちど、空を仰げば
きょうの楽しみはまだまだ続く
再び戻らぬ青い時を惜しんで
まだ見ない世界へ向かってゆく
たまには喧嘩もいいものだ
互いの気持ちもよくわかるから
花には水、神には祈り、友には絆を

世界のどこかで誰かが迷う
その心細さに自分を重ねて
いまいちど、遠くを眺めれば
あしたの不安は飛び去るだろう
遠い過去の旅人もそうしたように
懐かしい場所へ帰ってゆく
たまには荒野もいいものだ
心が怠けてしまわぬように
鳥には風、人には言葉、僕には勇気を

昭和57(1982)年川崎南高等学校歌~青い宇宙を~

作詞 宗左近
作曲 三善晃

ほんとうに欲しいものは何だろう
見つめてくる きみ 黒い瞳
光のしぶきのなかだから
川崎南高等学校
どんなに愛は破れても 涙が星になる 歌おうよ
夢を たとえ楽器が鳴らなくても
きみがいて そして ぼく(わたし)
暁の芯に噴きあがってくる朝は
裏切りはしない 新しい明日を

ほんとうに大切なものは何だろう
問いかけてくる きみ うるむ瞳
光の渦のなかだから
川崎南高等学校
どんなに願いは破れても 悲しみが虹になる
めくろうよ 未来を たとえ譜面が終わっても
きみがいて そして ぼく(わたし)
草花の茎に立ちあがってくる真昼は
裏切りはしない 青い宇宙を

どうしても無くてはならないものは何だろう
叫びかけてくる きみ きらめく瞳
光の泉のなかだから
川崎南高等学校
どんなに希望は破れても 苦しみがコロナになる
信じようよ 太陽を たとえ世界が嵐でも
きみがいて そして ぼくたち(わたしたち)
若い生命に燃えあがってくる炎は
決して裏切りはしない 美しい宝石を